世界の翼 二幕


フラメンコ
ほの灯りの中にうっすら浮かぶ翼さん。一切のセットなし。いつまで経っても薄暗いのでちょっと見難い。初見の時は白シャツに入っているラメのラインがやけに光って見えて、そんなにテカテカ衣装だったっけ…?と気を取られたorz。そんなことはさておき翼さんのは肢体は変わらず美しく、身体のどの面を向けても完璧なラインを形作るよう計算されていた。動きのみならず静止している時も素晴らしくて、特に跪き前屈みになって腕を羽のように広げるところの角度が綺麗で息を飲む。シャツにできる陰影までもが彼の描く世界の一部をなし、本当に何一つ無駄なものがない(薄暗さはこの効果のためなんだろう)。もちろん力強さも変わらず、彼がそこに込める気持ちがヒシヒシと伝わってくる。やっぱり翼さんはシンプルでこそ引き立つ男だ。ゴテゴテした飾りなんてなくていい。躍動する身体一つあればこんなにも印象的なステージを描くことができる。もう崇拝以外に一体何をすればいいのか。


アンダルシアに憧れて
フラメンコに続いてあんな衣装だったっけか、パート2。どれだけ覚えてないんだ<松竹 だってあのロングジャケット、身体に合ってない…ダブダブしてるように見えた。翼さん、痩せすぎ(涙) そしてやっぱりそっとジャケットに添えるようにする左手が好きで困る。実は微妙に衣装に触れないギリギリで止めてたりする、そんな細部の動きにもこだわる翼さんが凄すぎる…。魅せるってこういう事なんだろう、やっぱり漫然とやってるだけでは観客の心は掴めない、と思い知らされたあげくにコルトで撃たれる。


曲名が気になる
幕に巨大シルエットで登場。翼さんの頭のてっぺんの髪がかわゆくて気になる。黒いスーツに赤いシャツ。USAのダンサーさんと一緒に。やっぱり笑顔がひきつって見えるのはご愛嬌。だってカワイイんだもんっ。MADの歌う曲が耳に残ってるけど、曲名がわからなくて残念だ。ちゃんと聴いてみたい。聴いたらまた脳内に蘇ってくるだろうな。それにしてもMADの歌に合わせて翼さんが踊るのはニクイ演出だと思う。


take your hands
ポセイドンだと噂は耳にしていたけど、これまたすげえですね。なんのリサイタル。青っぽいラメラメキラキラした足まで隠れるロングな衣装。襟はヒレなのかエラなのか。それで情感たっぷりで歌い上げる翼さんはほんとに海の王様みたいですけども…(やや無理やり)。手の振りがとても可愛くて、思い出しても微笑んでしまう。お魚の格好をした女性ダンサーさん達が舞いが、これがまた華麗かつ繊細で本当に海にいるような気が…(?)
どーでもいいけど20日の夜はお隣の席の方がお魚ダンサーさんの振りをやられていて…もの凄い気になりました。隣でチラチラと手が動くのは気が散る。でもまあ、これの振りをコピーするってある意味凄いとは思うけど。


千年メドレー
私が観たかったものがここに集約されてるくらい圧巻で、このためだけでもまた飛べる。
今度は火の王様? 海で使用した岩場を引き続き使うのだけど、バックのスクリーンの映像もこちらの方がハマっていた。どことなく天地創造っぽい。翼さんが岩の上に登場した時は首の周りの羽根がタテガミのように見えて、キング、キター!とわくわく。聞きしに勝る迫力で、やっぱりダンスが観たかったらこの群舞は堪らん。フリーな中にも秩序があってまさに翼さんがバックを従わせている。翼さんが手をかざした側の子達がダンスする演出は特に素敵だった。そして足を踏み鳴らすところが途中から三三七拍子(笑)になって、最後の七拍目にMADさん達が翼さんにひざまずくのも最高。みんながひざまずきたい、と言うのも納得の王者の風格。そうそう、つっぱり棒も楽しみにしてたんだけど、ゴールドに塗られ黒い紐をらせん状に巻きつけてあって若干お洒落になっていて残念だった。そしてMADさん達のダンスも本当に魅せる。赤いハンカチを使ったダンス、どこかで観たことあるけれど、言わずもがなでお兄さん達はキレが全然違う。ジャニファンよりもまずジャニっ子達がこの舞台を観るべきだ。絶対にそうだ。
そして何よりもここで翼さんはロボットダンスを披露。NYでもちょっとだけポップをやっていたけど、こちらはもう少ししっかり観せてくれる。凄く新鮮でそしてその向上心とチャレンジ精神が尊くて震えた。今持て得る芸を磨くだけでなく、新しい物もちゃんと取り入れる。こういうの見せられちゃうとますます好きになってしまうのです。翼さんの得意なダンスはこのダンスの身体の使い方とは全く違うと思うので、正直まだぎこちなく軽快さも足りなかった。でも凄く楽しかった!今後これをやられるかはわからないけど、これからもきっと色々な物、違った面を見せ続けてくれる人だと思う。


WW〜Get Down〜Loving tonight〜WWメドレー
この辺りからあまり自分も記憶がない…ゲッダンは翼さんはあまり踊られてなくて、これまたMADさんを踊らせていたような。うーん、さすがにお疲れが濃くなってくる時間帯。LTの手のひらひらも力がなかったのをチェキしたよ!


滝翼メドレー
翼さんは一体いつ出てくるの…と思って待ってたら最後のSAMURAIでやっとご登場。松竹の時はスーツでサムライを歌ってそれはそれで新鮮だったけど、こちらは白パンツに黒タンクで翼さんっぽい。この曲はお色気むんむんなイメージでしたけど(ユニコン及びPV)、松竹に続いてここも色気は抑え気味。随分印象が変わってる。流れ星は基本ジュニアチェック。あと覚えてるのは、21日昼に松崎くんと辰巳くんのへそ!(Venusか?)くらい。


slave of love
衝撃のチープ衣装。途中からこの衣装を着るようになったと聞いてますが…赤いペラペラのロングな衣装…と言うか布を縫い合わせた物。変更点がありすぎて時間も予算もなかったと言うことでよろしいですか。
今回の舞台は十六夜、アンダルシア、スレイブは23→24の世界はそのまま生かしてあったようで。人気や評価も考慮して構成考えているんだろうな。やっぱりこの軍隊式スレイブ大好き。もう一生スレイブしてたい。そいえば翼さんだけ肘の角度が合ってない瞬間があったな(笑)


挨拶
子供時代の写真をバックに流して説明とご挨拶。21日昼はちょっと出てくるのが遅くて、慌ててハァハァ息切れしててきゃわいかった。しかもちょっとテキトーク入っていてモエ。


ラストダンスは私に
日生劇場にゆかりの深い越路吹雪さんの名曲をカバー。アレンジを変えて歌いやすいようにしてあるとは言え、偉大な歌手の持ち歌に敢えて挑戦する翼さんのお姿に胸を打たれる。やっぱり人の持ち歌って難しいと思うわけですよ。でもちゃんと自分なりに歌いこなしてあって、お歌もちゃんと練習してるだろう(たとえそれがカラオケでも)と思わせます。声質も大人になる程に厚みを増して成長著しいっすよね(何様)。


epilogue
約束ではなくて、この曲で締め。もちろん歌い出しは翼さんのパートから。
入魂の舞台に魅せられた最後なので、しっとり歌われると困るんです。ちょっとだけ泣いてみる。・・・・・次にいつ会えるのか、などの即物的なことではなく(それも多少はあったかもしれない)、あまりにも翼さんが自分をさらけ出して体当たりで訴えかけてくるステージなもので、その真摯な姿に心が洗われて自然に涙目に、という感じ。私は目に見える物でしか判断しないけど、やっぱり影での取り組み方は自然に表面に滲み出るものだ。翼さんは器用な人じゃないだけに、この舞台を作り上げるのも簡単じゃなかったと思うとそれだけで胸がいっぱい。ジャニー色が強い部分には疑問がないわけはないし、改善の余地もたっぷりありそうだけど、だからこそより一層再演が楽しみに思える舞台だった!更なる進化が待ち遠しい。



さて、ついでと言っては失礼ですがTVぴあに掲載された足の件。
靭帯部分断裂だったとは、私でもさすがに一瞬青ざめ。下手したら1シーズン以上を棒に振る可能性だってなきにしもあらず。ドクターやトレーナーもいるだろうから間違った判断はないだろうと決め付けていたけど、今更のように本当に無理はしなかったのか気になってみたり(遅い)。壮絶な舞台裏。本当にお疲れ様でした。痛みをおして気丈にやり遂げたその精神力は尊敬に値します。ただ、舞台上での評価は全く別個の物であるべきで、ステージはステージで本当に素晴らしかった。私はそこは混同してません。以上。